第13章 近侍であるために 加州清光
ひゅうがの本丸に加州清光が顕現してから、どのくらい時が経っただろうか。
ひゅうがと加州清光の二人きりだった本丸は、今では刀剣男士が十五振りに増え、多少賑やかになってきている。
だが、出陣部隊は一つしか結成出来ず、遠征に行く部隊は人数も少ない、内番と兼任なることが多い。
故に出陣の回数は少ないが、非番になる日がない為、刀剣男士達の疲労が溜まりやすいのが課題であった。
そんな中、加州清光は近侍としてひゅうがと本丸内の刀剣男士達のため日々奔走していた。
早朝に起きては、稽古場で己を鍛え、その後はひゅうがの元へ行き、その日の予定を確認する。
第一部隊隊長でもある加州は、出陣がなければ各内番の様子を確認し、場合によっては手伝いもする。
そして、それらと並行してひゅうがの傍らで彼女の仕事を手伝い、少しでも空き時間が出来れば、再び稽古場に行き鍛錬に励む。
ひと息つく間もない毎日だが、ひゅうがの近侍で居続けるためだ。
不満は微塵もない。
加州だけが近侍を務めていること。
それが彼の誇りだ。
ひゅうがの近侍として、誰よりも強く、誰よりも彼女の側にいたい。
その想いが加州を奮い立たせていた。