第11章 たきしめる 歌仙兼定※R18
「つまり昨夜、君は夜に男の部屋に行ったということかな?短刀の子だけではなく、太刀の一期一振のとこへも」
「え……あっ!は……い、行きました」
以前、夜に歌仙の部屋に訪れ、どうなったのか思い出したのだろう。
ひゅうがは気まずそうな顔をして歌仙から目を逸らした。
「あのっ!でも寝かしつけしただけで……」
ひゅうがが何もないと言うなら、一期一振との間には何もなかったのだろう。
それに、そこは歌仙にとってはどちらでも良かった。
自分や加州もひゅうがに恋し、彼女を求めているのだ。
他の男士も同じ気持ちになるのは理解出来る。
だが、顔を真っ赤にしながら否定するひゅうがの表情が、歌仙の加虐心に火をつけた。
「……本当に寝かしつけだけだったのか、僕が確かめてあげるよ」
歌仙はひゅうがを後ろから抱き締めると、耳元で囁いた。
「あ……っ、歌仙っ」
耳元で囁かれ、身動いだひゅうがの腕を掴むと、歌仙はひゅうがを自室へと連れて行った。
「まだ時間はあるからね」
早起きは三文の徳と言う者もいるけれど、実際は三文以上のものだったね?
歌仙は後ろ手に障子を閉めると、ひゅうがの帯に手を掛けた。