第10章 崩れる不幸
私は家に着くと一目散に部屋に行き、ベッドへとダイブした。
いままで、由利さんとはしゃべったことがないわけでは無かったがそこまで仲は良くなかった。
ましてや先輩だったし、私はあの人のことを避けていた。
だからだろうか、すこしだけ緊張していて家についてからどっと疲れが出た。
そして私はそのまますこしだけ眠りについてしまった。
数時間後、私は目を覚ました。
寝起きだからか視界がぼやけ、
何となく、ベッドに横たわってままになっていた。
「あ、起きたのか。おはよ」
ん?なぜか湊の声が聞こえた。
私はよーく、横たわったまま見ると私のベッドの横に座っている湊がいた。
「え?なんで湊がここに?」
私がそう疑問をぶつければ、あいつは
「ついさっき、ちょっと詰んだゲームあったから討伐付き合ってくんねぇかなって来たらおばさんが寝てるっぽかったしすぐ起きるだろうから部屋でまってればって。だから待ってた。」
という。
お母さん、それはいいんですか。年頃の娘の部屋に年頃の男の子入れちゃっていいんですか、寝てるんですよ。
そう思いながらも私は冷静を装い「そっか。じゃあそのゲームしよう。」といってすくりと起き上がった。
そして私たちはゲームを始めた。
「なぁ」
「んーあ、湊、そこにアイテム落ちてる」
「ん。よし、取れた。」
「ここのワールドアイテムコンプー。」
「っしゃ!」
「ねぇ、湊。」
「ん?」
「さっき、何言おうとしたの?」
「別になんでもねぇよ。」
私たちはそんな会話をしながら黙々とゲームをした。
いつも通りの空気とすこしの睡眠のおかげですこし、疲れが取れた気がした。