第10章 崩れる不幸
湊Side
ゲーム積んだとかは嘘だった。
本当は七華に会いたかっただけ。
今日は休日だった。
七華をデートに誘おうか悩んだ。
けれど誘うのがすこし気恥ずかしくて、誘えなかった。
あいつのことだし昼過ぎにでも部屋にいそうだな、なんて思って安心しきってた。
そう思いながら、ダラダラと二度寝、三度寝を繰り返し。
気付けばお昼の12時。
いい加減起きよう。
そう思い、俺はベッドから起き上がった。
おもむろにDWを開く。
タイムラインを遡っているとロシェさんこと七華のアカウントが更新されていた。
[今日は知り合いとすこしだけ会う用事があって一人でお出かけ。帰り、おいしいもの食べたいなー]
それを見たとき不思議に思う。
あいつは俺に何故か隠し事をしない。
と、ともに何故か俺以外の人間と予定があるとここ最近は「明日は○○さんと会うんだよ!」等とご丁寧に何をするかまで俺が言わなくてもべらべらと話していた。
すこし疑問に思ったものの、七華に会いたいなんて勝手に思って勝手に七華の家に行った。
そしたらあれだ。
お出かけ仕様のワンピースでスカートのなかがぎりぎり見えないくらいに翻し、爆睡。
誰もいないといえどいいのかこれは。なんて思いながらもあいつが目覚めるのを待った。
待っている間、ぼーっとしていた。
すると七華の机の上にいつも持っているバッグと一緒に男の名前と連絡先の書いてあるメモがひらりとおいてあるのが目に入った。
[神藤 隼]
男と会ってた、のか?
なら、言わないのもわからなくもない。
それに、俺と七華の関係を見てみてだいたい周りも察しているが、七華より俺の方があいつへの好きが重い。
表面には出してはいないつもりだが、どうしてもどこか滲み出てしまう。
俺は悩みに悩み七華とゲームをした後、あいつに電話した。