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ネットで仲良くしていた腐男子は幼なじみでした。

第10章 崩れる不幸


二日後。


私たちは雛斗くんの見送りのため空港に来ていた。



「二人まできたの?来なくてよかったのに。」



そういいながらも雛斗くんは嬉しそうにしていた。




それを見て湊は「嬉しいくせによく言うな。」と笑う。




「応援してるね。」


私がその言葉をかければ



「当たり前でしょ?俺はスーパースターになって帰ってくるの。」


そう自信ありげに言った。




あのぎくしゃくした空気もいつしかなくなり、いつのまにか前の雰囲気へと戻っていた。





見送りには、


私と湊、湊の両親が来ていた。



雛斗くんのご両親は、遠方に住んでおり、見送りに来られないとのことだった。



しばらく達話をしていると「七華ちゃん、すこしいいかな?」と雛斗くんがいう。



「あ、うん。」



私がそういうとその話の輪からすこし離れたところに二人で移動した。



「どうしたの?」




私がそう疑問を投げかける。





それに対して雛斗くんは私に、




「何か悩みがあれば湊に言って。一人で溜め込まないで。」



と言った。






「心配かけてごめんね。ありがとう。」




私がお礼を述べると、小走りで湊が寄ってきた。




「雛、こそこそ何やってんだよ。」



いつも通りの不機嫌そうな感じだ。



「ちょっと話してただけだよ。」



私が軽く湊を宥めるように言う。



すると雛斗くんは



「疑いたいならどーぞ。けど俺もしばらく日本は離れるからなー。七華ちゃん、大事にしてやりなよ?次泣かしたらただじゃおかないから。あ、相談はのる。それじゃ。」



といってひらひらと手をふり、さって行ってしまう。



時間を見ればもう飛行機が飛ぶ時間だった。




あっという間だったな。




そう心に思いながらいた。




雛斗くんとはたった数ヶ月の間だったし、いろんなことがあった。




私たちにとっては辛いこともあったけれどそれも含めて良い経験だったのかもしれない。
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