第9章 波風
私は考えに考えながらも、湊の悪い噂を掻き消すために何をしたらいいかわからなかった。
すべての答を一度にだすことは決断力のない私にはできない。
そう思い、まずは湊とのことの答を出すことにした。
放課後、校門前に行けばそこには約束どうり、湊がいた。
私が軽く手を振るとそれに対してすこし気まずそうに私の方に向く。
「ごめん、待たせたよね。」
「別に待ってない。」
そう会話をすると湊は前へと歩きはじめた。
どこに行くのだろう。
すこし疑問に思いながらもこのあと、私が出す答に対して、湊がどんな反応をするのか、どんな答を出すのか、不安になった。
しばらく、二人であるくとその先には昔よく三人できた公園があった。
湊がベンチに座ったので私も隣に座る。
思い出せば、逢人が亡くなってからここには一度も足を運んでいなかった。
小学校の時はよくここで遊んだし、中学のころはよくここに寄り道をした。
何回ここに足を運んだかはわからない。
そこには私たちの思いでそのものがある気がした。
座ってしばらく沈黙が続いたものの、私は話を切り出すことにした。
「この前の話だけど...」
そういったとき、すこし湊の顔が強張る。
「これからも湊と一緒にいたいって思う。だから、その、振り回したけどこれからも湊がよければよろしくお願いします。」
私がそういったとき、湊の頬に涙が伝っているのがわかった。
「なーに泣いてんの」
そういいながら私は湊の涙をティッシュで拭う。
「もうダメだと思ってた。ありがと。よろしく」
そういって湊は俯いた。
私はこの人が大好きで大好きでしょうがないんだと思う。だから私は決めた。
湊の真実ではない噂を全力で掻き消そうと。