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ネットで仲良くしていた腐男子は幼なじみでした。

第9章 波風


距離を置いて二週間。



今日は帰り道、校門前で雛斗くんに会い一緒に帰ることにした。
  


すると雛斗くんは帰りにすこし寄り道したいという。



私がついていくとそこは私と雛斗君が以前いったカフェだった。




中にはいると、この前と同じように奥の方の席に通される。




私は彼に「何でここに?」と聞く。




すると雛斗くんは少し躊躇しながらも私に言った。




「三週間後パリに留学するだ。」



突然の言葉にびっくりした。



「でも、読者モデルから専属モデルになるって言ってたよね?」


確かにそういっていたはず。


なのに何で。



そう思いながらいると



「これからはモデルとして、プロとしてやっていこうって思ってるんだ。七華ちゃんにも綺麗さっぱりフラれたし、もう残されたのは見た目だけだし。パリでいろんなモデルからいろんなこと学んでこようと思ってる。あ、専属の話は結局断った。」



そう嬉しそうに私に雛斗くんは言った。




彼の進もうとする姿を見て、すごいなって素直に思った。



「頑張ってきてね。応援してる。」



私がそう雛斗くんに伝えると雛斗くんは私に言う。




「その前に俺には片付けないといけないことがあるんだ、何かわかる?」




少し不安そうな顔をする彼を見て何かあったのかと思ったがそうゆうわけではなさそうだった。




私は首を横に振ると呆れた顔をしながら「七華ちゃん達のことだよ。何があったの?最近お昼も一緒に食べてないよね?前空き教室行ったらいなかったし。」という。



私は包み隠さず距離を置いていることや、湊が脅されたこと、そして私が少し誤解してしまったことを話した。



すると雛斗くんは再び呆れ顔をしてテーブルに並べられていたココアを一口飲んだ。




「湊は何してんの。この俺がフラれたのにさ。空回りして、女に脅されたって情けない。逢人も呆れるよ。」



雛斗くんはそういいながらもどこか心配しているように見えた。



そのあと雛斗くんは少し微笑みながら私に



「ま、最悪別れたら俺のところおいでよ。俺はいつでも七華ちゃんならウェルカムだから。あ、一回フラれてるししつこいかな?」

といって冗談ぽく笑った。
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