• テキストサイズ

ネットで仲良くしていた腐男子は幼なじみでした。

第9章 波風


雛斗Side


最近、七華ちゃんに元気がない。



空元気に振る舞っている感じがする。



そんでもって、それに気づいているのか、気づいていないのかわからない湊。




しばらく放っておいてみれば女の匂いがする。



[調子乗るなよ]



そう思いながら俺は湊の部屋を訪れた。





「ねぇ、湊。最近七華ちゃんじゃない女の子とデートしてない?」



そう俺が言ってみれば、湊は図星のような顔をする。




[やっぱりね。]



俺は続けざまに話す。

「なんで他の女の子とデートしてんの?何か理由あるんでしょ?無かったら許さないけど。」


[その程度なら手を引いてほしい。]


それだけだった。



「中学からの先輩に脅されたっていうかびびってるっていったほうが正解か。七華に嫌がらせしろって言ってたのその先輩だったんだ。でかければ嫌がらせやめるって言われて一緒に出かけた。」



そのあと湊からすべての真相を教えられた。



要するに、こうゆうことだ。

七華ちゃんと湊の関係が俺と一緒で気に食わなかったその先輩は七華ちゃんに嫌がらせをして湊にデートすれば嫌がさせをやめるといい、それを繰り返している。



そして最後に、七華ちゃんと別れて自分と付き合うか、七華ちゃんと別れず嫌がらせに耐えるかを選べといったと。


そして湊は七華ちゃんと別れてあの子を守り、その事後処理を俺に任せようとした。



俺は気づいたら湊を打ってた。


「馬鹿じゃないの?散々、俺にむなしい思いさせておいて自分の手に負えなくなったら丸投げかよ。都合いいこと言ってんじゃないよ。もう少し考えたらどう?お前の気持ちってそんなもんなの?」



咄嗟にそれだけの言葉が出た。



俺がどれだけ頑張っても湊にはなれない。


変わりにはなれない。


俺の穴をあいつが埋められてもあいつの穴を俺が埋められることはない。



俺はそのあと湊に告げた。



「俺は来月からパリに行く。だからそれはできない。事後処理くらい自分でしろ、馬鹿」
/ 112ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp