第8章 環境変化
放課後、私は荷物を持って教室を出ようとしていた。
「あの、江城さん?もしよかったらこの荷物倉庫に持っていくの手伝ってくれませんか?」
突然、クラスの子に声をかけられた。
といっても今まで話したこともないような地味な子だった。
おそらく、雑用を押し付けられてしまったのだろう。
「うん。倉庫って地下倉庫のこと?」
私がそうゆうと「はい。」と彼女は言った。
けれどさきほどから少し様子がおかしい。
体調でも悪いのだろうか。
私はそう思いながらも荷物を彼女と持ち、地下倉庫へとむかった。
地下倉庫は体育館の近くにあり私はあまり行ったことがない。
運動部の人たちはまた別で倉庫を持っているため物置に近い状態になっている、とはよく聞く。
私たちはせっせと荷物を運ぶ。
しばらくすると地下倉庫の前について、彼女が倉庫の鍵を空けた。
この倉庫は外から鍵をかけるタイプの倉庫らしく、中の照明もあまり使わないからか点滅していて不気味な雰囲気だ。
私が先に中には入り「どの辺に荷物置けばいいかな?」というと「えーとその奥の端っこの方です!!」といわれそこに荷物を置こうとした時だった。
ガン!
鈍い扉のしまった音がした。
後ろを向くと扉はしまっていて扉を開けようとすれば鍵がかかって開かない。
私が慌てていると「すみません!」そういって走り去って行く音が聞こえる。
やられた。
なんで彼女がこんなことをしたのかはわからないがとりあいず閉じ込められた。
この倉庫はあまり荷物の出し入れはしない。
そのため人も寄り付かない。
中から助けを呼んでも無駄だ。
制服のポケットに携帯が入っていたので慌てて取りだし、今部活で学校にいそうな子に電話をかけようとする。
けれどここは地下のため圏外だ。
もう誰かが私がいないことに気づいて探してくれることを願うしかない。
私は心の中で慌てながらも冷静を装い、その辺にあったダンボールに腰をかけた。。