第8章 環境変化
連れて来られたのは、コラボカフェだった。
「これ、抽選だよね?入れなくない?」
私は湊にそう問う。
そこはアイプリのコラボカフェ。
事前予約制で、予約抽選にあたったものしか予約ができない。そして、旬ジャンルのアイプリはとっても倍率が高かった。
「まぁいいから、黙ってついて来い。」
そういってお店の中に入ると何か店員さんと話している湊。
まるで抽選が当たって中に入れる人のようなそぶりだった。
すると湊は奥へと入っていく。
私はそれに着いていくと二人用の席に通された。
通されてから不意に湊にいう。
「これは?」
「当たったんだよ、駄目元で送ったらな。二人まで行けたしどうかなって思って。何もいわず連れてきてごめん。食事代とかは俺が持つ。好きなの頼め。」
頭に?マークが飛び交うものの、「ありがとう。」と伝え、私たちはメニューを開いた。
地味に行きたかったものの、短期バイトで貯めたお金をほぼ使い果たし、地道に貯めたお金も前行った小旅行でチャラ。
なので抽選に送るのも我慢した。
それを湊は連れてきてくれた。
正直、すごくうれしい。
たくさん食べて、たくさん飲み物を二人で飲んだ。
帰りにアクキーや、缶バまで買ってくれた。
今度何かお礼しなきゃなー。
もうそろそろ短期バイトいれるかー。
なんて思いながら帰り道をルンルンに歩く。
すると少し路地を曲がったところで湊が足をとめた。
「なぁ、七華。俺のせいで嫌がらせされてねぇか?」
突然湊はいう。
嫌がらせが始まってから、気にしているそぶりはあったが、私にそれを言ったことはなかった。
私は湊に背中を向けた。
「確かに嫌がらせはされてるけど、湊のせいとは限らない。」
そういって私は湊に合わせて止まったものの再び歩きはじめた。