第6章 外れた道を戻すために。
湊Side
あれから一週間が立った。
七華は学校に来なくなった。
雛は仕事を理由に、学校に行かなくなった。
最近、読者モデルから専属に上がる話が来ているらしく手続きがあると本人は言ってるがそんなの言い訳だろう。
雛には七華が学校に来てないことは言っていない。
そして、雛は毎晩夜の10時くらいに帰ってくる。
また遊び歩いているのだろうか。
まぁ自業自得だと思う。
俺はあのあと何があったのかは知らないがそのあとさらに何かあったのだろう。
そして何かあったのなら、その原因を作ったのはこの俺だ。
俺には、関係を修復する義務がある。
七華の家にはノートのコピーを渡しにいくのを理由に毎日行っている。
が、本当はこの前のことを心の底から謝りたかっただけだ。
おばさんはいつも家にあげてくれて「どうせなら渡しに行ってあげてくれる?」そういってくれるので俺はいつも七華部屋の扉の前まで行く。
「七華、俺だ。今日のノート、持ってきた。」
そういって俺は扉の横に腰をかける。
1時間から1時間半くらい待って部屋から出てこなかったら「今日はこれで帰る。わからないことがあったらいつでも連絡しろ」と言って、帰る。
そんなことを毎日続けていた。
連絡が来る訳でもないし、何か返答が返ってくる訳でもない。
でも、どれだけ無謀だったとしても俺は七華を守るって決めた。
決めた以上、俺はそれを貫きたい。
確かに、あのことを棚にあげて言うのはどうかと思う。
けれど今度こそはって思う。
それに、雛は俺に何か隠していることがある気がした。
あのノートのことも気になるのもある。
俺はいつも通り七華の家を出ると、雛にメールを送った。
「今日、夜空けておけ。話したいことがある。」