第4章 突然表れた風来坊は同士
私は少し悩みながらも「一時間後なら」と承諾した。
雛斗くんの声のトーンが気になったのもあり、本来ならもう少し湊といたかった自分の感情を心の底にしまい、湊のもとへと戻った。
「大丈夫だったか?」と心配そうに湊は私に言う。
雛斗くんからだったと言おうと思ったが今日、私に話したいことがあるということが湊に知られたくないと雛斗くんが思っていたら?と思い、
「あ、うん。中学の時の友達。携帯番号変わったんだって。あとで会えないかって言われたから今日はこのまま待ち合わせ場所向かう。」といった。
すると湊は私に「そうか、楽しんでこいよ」と笑顔でいった。
私はそのまま本屋をあとにした。
雛斗くんにはカフェに来てと言われたが、待ち合わせの時間まですこしだけ時間があったため、私はすこし公園のベンチで本を読んで時間をつぶしてから、待ち合わせ場所へと向かった。
ところが到着したカフェはオシャレなカフェで、私はあまり行ったことがないようなところだった。
ましてや高校一年生の男の子が知っているようには思えないお店だった。
私は不安に思いながら、お店の前で待っていると、そこにはサングラスをして、黒いジャケットを着た人が近寄ってきた。
モデルさんのようにスタイルが綺麗で、こんな人が私に何の用だろう。と思っているとその人は私の前に来てサングラスを外した。
「あれ?もしかして、気づいてなかった?」
その人は雛斗くんだったのだ。
それを見て私は湊に言われたことを思い出す。
読者モデルって言ってたもんね。
スタイルもよくよく見てみるといいし、モテそうだなー。
そう考えながらぼーっとしていると
「せっかく店で待ち合わせしたのに、先入らなかったんだ。とりあいず、中入ろうよ。」
そういって、雛斗くんは私の手を引っ張り、私たちは店内へと入っていった。