第4章 突然表れた風来坊は同士
「それ、アイプリだよね?」
あれ?異様な光景のはずなのに全くひいてない。
なんでだろう。そう思いながら見ていると雛斗くんの手には私たちが見たことのある品物が握られていた。
「お前、それイベント限定販売のチャーム」
どうやら湊も気づいたようだ。
そう、雛斗くんの携帯には一見普通のチャームに見えるものの、わかる人にはわかる、そんな品物が着いていた。
黒のチャーム。
それはアイプリの公式が一番最初に行ったキャストトークイベント限定販売の黒色、汐那くんのチャームだった。
特に汐那くんはアイプリのキャラクターの中でもトップを争うキャラでイベント物販で一番最初に完売した品物だった。
再販売等もなく、今では幻の品物とまで言われているチャームだ。
もちろん、他のキャラのチャームも同じく幻と言われている。
だが、その中でも汐那くんは特にレアな品物だった。
私は「もしかして、アイプリ.....好きなの?」私は恐る恐る聞いた。
すると「作品告知がでてからずっと応援してる。汐那様を」と雛斗くんは言う。
それは私たちよりはかなりファン歴が長いと言うことだ。
いわゆる、神者といわれる部類だろう。
正直驚いた。まさかとは思っていたのだけど。
すると湊が「まさかとは思うがそのチャーム、会場でかったのか?」そう聞く。
「そうだね。」
平然と雛斗くんはいった。
信じられない。驚きが隠せない。
こんな短期間でこんなに同士が見つかるなんて思っても見なかった。
けれど彼からどうやってそんなお金が出てきたのだろうか。
イベントに行くにしてもチケット代等がいる。
それにオタクはお金がかかる。
私たちも夏休みなどに短期バイト等をしてさらにお小遣をなるべく使わないようにしてそうゆうことには備えている。
だいたい、チケットの抽選に外れるが。
要するに私はイベントには一度もいったことはない。
けれど二つも年下の彼はどうなっているのだろうか。
すごく不思議に思った。