第4章 突然表れた風来坊は同士
私は電話を切ったあと、湊の家に向かった。
玄関のチャイムを押すとスラリと背の高い、いかにもチャラそうな男の子がでてきた。
「やっほー。七華ちゃん。」
という彼に私は
「雛斗くん?」
とかえすと
「うん!久しぶり。小学校の時引っ越して以来会ってなかったよね。中入ってー。話しはそれから!」
と言われ、中に入れられる。
白野家のリビングに入るとそこには席が四席あり、湊の隣と湊のお母さんの隣の席が空いていた。
私は手前であった、湊の隣にすわる。
さっき、携帯を見ると、そこには母からメールが入っていて、
母方の親戚の人が亡くなったために、急に県外に行くことになったらしく、三日ほど湊の家にご飯などは食べに行くようにとの連絡だった。
あいにく、父は出張の為家にはおらず、私は一人っ子の為このようなことになった。
おばさんは「七華ちゃん、お母さんからお話は聞いてるから。遠慮せずゆっくりしてってね。」という。
私は「お世話になります。」という。
そしてみんなでご飯を食べはじめたとき、私は不意に「ねぇ、雛斗くんはどうしてここにいるの?」ときいた。
すると雛斗くんは「実は昨日からここに住んでるんだー」という。
私は「え?そうだったの?」何て言う。
朝、湊と何度か会話を交わしたりはしているが一切、そのような話は聞かなかった。
雛斗くんは二つ年下のため、今年高校一年生になる。
すると湊が「雛斗は中学最後の年にアメリカに留学してたんだよ。それで進学はこっちの学校にしたらしいんだけど、自分の家からよりうちからの方が近いからここに住むことになったんだ。」という。
なるほど。
なっとくする私。
ご飯も食べ終わり、またもや湊の部屋に私はお邪魔していた。
「はへー。こんなグッズ出てたんだ。」
湊の集めたグッズに感心する私とそれを自慢げに見せる湊。
私たちが吟味しているとドカドカドカドカと音が聞こえて来る。その音は次第に大きくなり、最終的に湊の部屋の扉があく。
そこには雛斗君の姿があった