• テキストサイズ

ネットで仲良くしていた腐男子は幼なじみでした。

第3章 嫌われる恐怖


中学一年の文化祭の日、私の日々が大きく変わる出来事が起こった。





それはある、学校に纏わるジンクスから幕を開ける。





[文化祭の日の夕日が上る時、好きな人に告白すれば、幸せになれる。]


そんなジンクスが私たちの通っていた中学にはあった。



その日、案の定モテた逢人には人だかりができていた。


もちろんそのジンクスを彼女たちは信じていたのだろう。



あの当時、好きな人もろくにいないと思っていた私はどうせ、そんなのジンクスなんだから囃し立ててどうするの?なんて思ってた。



けれどそのジンクスを信じたのは女の子だけではなかった。



「好きだ。だから俺と付き合わない?」


逢人から向けられたその一言に私はただ黙って聞いていた。



そのあと私は「なんでいっぱいいるこの中から私を選ぶの?」という。



すると逢人は自信に満ちた笑顔で「七華見てると元気出るんだよ。それに七華は輝きに満ちてる。だからかな。」
という。



私は「私は恋愛感情では逢人は好きじゃない。けれど私には今好きな人もいない。」と無表情でいう。



すると「じゃあ、今からでも俺のこと男として見て。1番最初から好きな必要はない。少しずつ俺のこと好きになってよ」と逢人はいい、私はその話を承諾した。




けれど、今になれば思う。



私はあの当時から本当は湊が好きだった。



なのになんであの話を承諾したんだろう。


そのあと、私には一生消えない後悔が残った。




その2年後、逢人は事故に遭った。



あの時、私が自分の気持ちに気づいていれば、私は今どうしていたんだろう。




あの時、私が、湊が好きって言ってたら。




逢人が亡くなってからは毎晩のように泣いた。 



彼がいなくなった悲しみ、




そして




彼に本当のことを言えなかった罪悪感。






そして彼に好きな人がいないと偽った二年間に。
/ 112ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp