第3章 嫌われる恐怖
キーンコーンカーンコーン
授業の予鈴がなる。
私は何となく、教室に移動しなかった。
その横で湊は慌ててお昼に食べていたお弁当を片付ける。
そして私に「お前急がなくていいのか」と声をかける。
私は「今日はサボろうかな」と遠くを見つめながら言う。
「そうか。」湊はそういって空き教室を出て行った。
湊が出て行ってからもしばらくぼーっとしていた。
嫌われてたら嫌だな、そういう思いがあの日から消えない。
この消えない感情に私はあと、どれだけ振り回されるのだろうか。
今まで湊にあんな暴言を浴びせたことはなかったし、ここまで湊に嫌われてたら嫌などと考えたこともなかった私はかなり頭を悩ませていた。
どうしよう、そう思いながら私は涙を流していた。
すると空き教室の扉がガラガラガラと開く。
そこには湊の姿があった。
「何で泣いてるんだよ」そういってハンカチを投げ渡される。
私は「.....ありがとう」そう伝えるだけ伝えて涙を拭いた。
何故戻ってきたのだろう。
どうせ、忘れ物をしたとかそうゆうことだろう。
そう思う半面、
[私のこと心配して戻ってきてくれたのかな]
と自分に自惚れる部分もあった。
もちろん私のことを気にしてもどってきてくれたのなら、うれしい。
けれどあんな暴言を浴びせておいて、そんなむしのいい話はない。
すると湊は私の近くにそろそろとやってきてそっと私の頭を撫でた。
「なぁ、泣くな。そんなに嫌いか、俺のこと」
そう湊は悲しそうにいう。
私は自分の耳を疑った。
けれど間違ってはいない。
私は悩みながらも湊にいった。
「あ、の........私のこと嫌いになったりした?」