第3章 嫌われる恐怖
私たちはいつも通り学校までの道を歩く。
いつもなら少しくらいなら会話するが朝、上半身裸だった湊を思い出して意識してしまってうまく話せず、話は弾んでいなかった。
すると湊は「あのさ、来月ある、アイプリの聖地巡りキャンペーン、一緒にいかねーか?」そういった。
それは私が少しあきらめていたキャンペーンだった。
理由はあまり土地勘のないところだったため自分に行ける自信がなかったからだ。
アイプリは五つの島のプリンスたちがヒロインである日本の専門学校生の旅行先で出会い、求婚するといった内容。
けれど、出会った場所は海外でも、そのあとヒロインを日本に探しにくるところから話は発展する。
そのため、聖地は当然の如く国内となる。
そしてその聖地が隣の隣の県であるのだ。
微妙に遠く、そしていけない距離でもないため、すごく行こうか悩んでいた。
聖地巡りキャンペーンは、各々モデルになった建物や場所に設置されているスタンプを集めて、限定のポスターがもらえる。
しかもそのイラストは描き下ろし。
正直私のオタク心をとてもくすぐっていた。
けれど向こうに行くなら当然、行き帰り、聖地を回るのにも時間がかかるため泊まりになってしまう。
一人だと親に反対されそうなためあきらめていた。
そのタイミングでのこの誘い。
少し気まずいがこの気まずさを乗り越えるためにも、この話にのった方がいい気がした。
なので私は「うん、いいよ。行こう。」そう答えた。
すると湊は少し驚きながらも「道とか、何で行くかとかはこっちで調べておく。お前は他に行きたいところとか調べておけ。」そういった。
やがて私たちは学校に着く。
湊と私は同じクラスで、学年は同じく三年。
そして私は廊下側の一番端っこの一番後ろ。そしてそのとなりの席が湊。
湊には休み時間、謎の人だかりができる。大抵女の子だ。
モテ男は大変だなと思いながら私はいつもそのとなりの席でラノベを読んでいる。
そして昼ご飯の時間になると決まって私と湊はバラ行動で空き教室へといく。
そこで何となく、二人でご飯を食べ、何となく時間は過ぎていく。