第10章 崩れる不幸
私は先輩が立ち去ったあと、気が抜けたようにぼーっとしていた。
ちゃんと説得できたんだなって。
彼が最後に教えてくれたことをちゃんと学習できたなって。
しばらくしてから私は残りのパンケーキを食べてお店を出た。
[疲れたな。たまには自分のご褒美買ってもいいか。]
そう思い私はおもむろにCDショップへと足を向けた。
私が欲しかったCDアルバムを買うためだ。
ここ最近、アイプリの予算面が厳しくゲームソフト以外はほぼアイプリ関係しか買っていなかった。
そのため他に欲しかったCD、グッズなどはすべて我慢していたのだ。
ここ最近はトラブル続きでメンタルもボロボロになりかけていた。
それが一通り落ち着いた記念。
そう、謎の記念という理由を無理矢理つけアルバムを買うことにした。
いつもいくショップではないため売り場が広いお店だからかすごく迷う。
フラフラと売り場を探しやっと見つけた。
ところが売り場はあっているはずなのに品物はない。
よーくみると、ポップがだけがありそのポップがはってあるアルバムがあったと思っていた場所にはCDがなく、[SOLD-OUT]の文字が書いた紙のようなものだけがあった。
そのまま帰ろうかとも思ったが、せっかく来たのだから何か買って帰ろう。
そう思い、私はアニメやゲームなどのCDがあると思われる売り場に移動した。
そこには、服数人人がいたがどの人も一人で来ているような様子だった。
そこでいろんなものを物色する。
私は背表紙を見せているものばかりを見ていたのだが不意に棚の上の方を見ると
[☆★会社、待望の新作ドラマCD]
と大きなポップが張られていた。
ここ、ドラマCDも取り扱ってるんだ。
私は不意に気になりそのCDに手を伸ばす。
すると私が手を伸ばした先と同じところに隣でCDを見ていた男の人が手を伸ばして手がぶつかってしまう。
「すみません」 「いえいえ、こちらこそすみま...」
「「あ」」
「七華...」
その手のぶつかった人は湊だった。