第10章 崩れる不幸
理由、動機、私は由利さんに聞いたことをすべていった。
「...由利が、俺をね。」
神藤先輩はすこしショックを受けている様子だった。
「それってどうゆう意味何だろうな。白野たちに腹が立ったから嫌がらせしたのか、白野たちを蹴落としたかったのか。けど、俺の発言にも非があったってことか。ってこんなこと突然話されても迷惑だよね、ごめんごめん。」
神藤先輩は由利さんのことをどう思っていたのかは私にはわからない。
けれど、彼女のことをあのことがわかる前までは嫌いではなかったんだろうなと思う。
そうこうしているうちに注文したベリーパンケーキと巨峰のパフェが運ばれてきた。
そこにはおいしそうな匂いが立ち込めていて。
「さ、食べようか。早くしないと、上に乗ってるアイス溶けちゃうからね。ここのはアイスも自家製でおいしいから。」
そういって私に笑顔でナイフとフォークを私にて渡した。
私はナイフで一切れだけ切って口へと運ぶ。
「おいしい!」
私は思わず、そう声に出してしまう。
それを見て神藤先輩は
「今日、初めて笑ったよね。おいしかったならよかった。」
そういって自分の巨峰のパフェを食べはじめた。
よほど好きなのだろうなと見ていてわかるくらい幸せそうに食べていた。
「ところで、結局君はさっきの件についてどうしたいの?」
神藤先輩がそう私に聞く。
「私は...」
すこし躊躇しながらも
「後で、先輩たちに後悔してほしくないからあなた達の心のしこりを溶かしたかっただけです。お節介ならごめんなさい」
といった。
それを見た神藤先輩はパフェの残り一つの巨峰を食べた後いった。
「自分が後悔したことあったりするからそう言ってるの?」
そういわれて図星かもなと思ってしまう。
私の後悔を彼に話せばわかってくれる気がした。
彼女の傷をすこしでも癒す糧になれる気がした。
だから私はいった。
「白野 逢人は、亡くなったんです。」