第2章 2
「あ、ありがとう…ございました…」
「おう!いい汗かいたなー!ガッハハッハ!」
みっちり2時間、基礎鍛錬と気配をよむ練習をし
倒れるように座り込むかえで。
近藤はそんなかえでをみて苦笑いを浮かべながら
木刀で素振りを始める。
その有り余る体力をみていると、あながちゴリラというのも間違ってはいないのかもしれない。
滴る汗を拭うのも億劫な自分と見比べてそんな事を感じてしまう。
きっと本人に言ったら嫌がるだろうから
言ったりはしないが。
「あっ!そうだかえでちゃん!
よかったら今度うちの屯所に遊びにこないか?」
「……….えっ……と、…屯所…?」
息も絶え絶えのなか、そう問い返す。
近藤は暑苦しい笑顔を浮かべていた。
「さっき城に缶詰だっていってただろ?
ちょっとした息抜きにどうだろう?
もちろん俺や信頼できる仲間たちばかりだから
かえでちゃんを危険に晒すような事はしない
かえでちゃんさえよければ松平のとっつぁんに掛け合っておくよ」
松平のとっつぁん?屯所?仲間?
いかに自分が無知であるかを実感した。
外のことはなにもわからない。
でも ----------------
「……外へ、…連れて行ってくれるのですか?…」
外へ……
外へでれば………
「おう!かえでちゃんが望むのなら
どこへでも連れて行ってやるぞー!ガッハハッ!」
あのひとに会えるかもしれない………