第5章 日向の乱
澤「あっ、お前らっ、ちょっと目ぇ離したスキにっ!」
澤村先輩がこちらに気付き龍の首根っこを掴む。
蛍は知らんぷりに徹してた。
澤村「失礼しましたっ!」
澤村先輩のその声に合わせてわたしも、頭を下げる。
「あっ、イエ…」
澤「ホラ、ウロウロすんなっ!田中、その顔ヤメロ!!」
くるっと踵を返したとき、うしろで影山くんに話しかける声がしてチラッと様子を見る。
声をかけてたのはさっき一緒にいた、2人組の片割れ。
「…久しぶりじゃねーの、“王様”。そっちでどんな独裁政権敷いてんのか、楽しみにしてるわ」
影「…………ああ」
言い返さずこっちに向かって歩いてきた影山くんの背中をスガ先輩と龍がバシンッと叩く。
「なんだ…あいつ…大人しいフリしやがって…」
『……』
そんな声がしたから、振り返ってわたしは静かに笑ってやった。
「ーーーっ!///」