第3章 入部試合
菅「んんっ…でさ、お前の腕があったらさ…なんつーか、もっと日向の持ち味っていうか、才能っていうか、そういうの、もっとこう…えーっと…」
龍「ガッと言ったって下さい、ガッと‼︎」
菅「なんか、うまいこと使ってやれんじゃないの?!!」
『ぷふーっ…も、むりだ…!スガ先輩…っ笑』
我慢しきれなかったわたし。
澤「こら、神山!」
澤村先輩がそばに来て、邪魔するなと言わんばかりのご様子。
むにーっと頬っぺたを摘まれる。
『こひぇんなひゃーい』
スガ先輩は笑いながらも、ボソッと呟く。
菅「……俺も…お前と同じセッターだから、去年の試合…お前見てビビったよ」
影「?」
菅「ズバ抜けたセンスとボールコントロール!そんで何より…敵ブロックの動きを冷静に見極める目と判断力!!…俺には、全部無いものだ」
龍「え?!そんな事ないっスよ、スガさ…」
澤「田中!…一回聞いとくべ」
菅「技術があって、やる気もありすぎるくらいあって、何より…“周りを見る優れた目”を持ってるお前に─仲間の事が見えない筈がない!!!」
影「!」
影山くんは一瞬考えてニヤッと笑う。
影「─お前の能力、俺が全部使ってみせる!」
日「?!」
影「──お前の1番のスピード、1番のジャンプで─跳べ」
日「……?」
影「ボールは俺が、“持って行く”!」