第10章 合宿2日目
菅「部員の半数以上が敵だと思いな」
「!?」
菅「お前も気になってんだべ?香のこと」
「!!」
菅「だよなー?わかるわかる。ま、頑張れよ」
「…菅原さんもそうなんですか?」
菅「そうだけど?」
ハッキリと言う菅原さんにちょっとたじろいだ。
香先輩のこと好きかどうかはまだわからない。
けど、気になる先輩ではあるのには違いない。
「…俺、頑張りますから」
菅「おう」
菅原さんは余裕のある笑みを残し、俺の前を歩いていく。
俺は悔しく思いながら背中を追いかけた。
菅原さんが言っていた“半数以上が敵だと思え”って言葉が頭の中を駆け巡る。
敵ってなんだ?って思ったけどその後の言葉で意味がわかった。
バレー部のほとんどが香先輩のことを…
バシンッと頰を叩く。
「っし!!」
弱気にならないための気合いだ。
少しでも香先輩に俺のこと考えてもらえるように今日から頑張ろうと思った。
あの笑顔、頭を撫でてくれた手…絶対忘れないようにしよう
そう思いながら午後の練習に意識を向けた。