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短篇集

第1章 轟焦凍と銀の髪




「ねぇ!私と一緒に食べませんか!!?」

「私の隣!空いてますよ!!」

「お蕎麦!!私もなんです!!!どうですか!!?」



女子生徒の黄色い声援とラブコールを一身に受けているその人物は
No.2ヒーローの息子であり、将来有望な個性の持ち主
轟焦凍、その人だった


体育祭が過ぎた頃から
学食ではヒーロー科の生徒と一緒にご飯を食べようとする女子生徒が殺到するようになり

彼はその容姿も相まって
ファンの数は日に日に増していった


そんな彼は、それらの言葉の真意を理解はせず、しかし無視もせず丁重にお断りしていっていた


轟は大好物の蕎麦を携え、声援の中
席を探す

するとふと、外の木陰でお弁当を広げている子が目に映った

足元には開いた分厚い本を置き
目は文字を追う為伏せ目になり
個性の影響なのか、真っ白の
銀色のような透き通ったその長い髪は
風に揺られながら彼女の右頬を優しく撫でた


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