第3章 死柄木と一般人①
死柄木が名前を助ける為、駆けつけた後
地下のバーではそのすぐ後に
先生からのアクションが入って来た
「弔は…気に入った子でも出来たのかな?」
モニター越しに問いかけられる黒霧
「どうだかはまだ…ですがいつ逃げられ、この場所を特定されるかは時間の問題かと思います。ですので……」
始末するべきであろう
それが黒霧の見解だった
そしてその考えは
きっと死柄木も理解してくれるものだろうと考えていた
しかし
「殺してはいけない」
「…はい…?」
まさか先生に否定されるとは夢にも思っていなかった
「弔には大切な存在が必要なんだ。それはきっと、あの子を大きくさせる養分になる」
「…そう、ですか」
あまり納得は出来なかった
そして
「養分」…とは
いつかは無くなる有限のものだ
つまり
いつかは彼女が
用済みになる日が来るという事だろうか
そんな事が頭を過ぎったが
単語一つに、そこまで含意があるかは不確定な要素であり、
そして私は
死柄木が大事に思った子を
どこか使い捨てたくはないと
思ってしまった
不運に拐かされた少女が
闇に引きずり込まれて行くのは
幸か不幸か
最後にはどちらを思うのだろうか