【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第13章 6th night【レイ・ブラックウェル】R-18
「え……?」
レイは手を伸ばし、レイアの首筋にそっと触れた。
「お前、ここ」
「え?……あ、ちょっと痛い」
レイが眉根を寄せた。
「……切れてるじゃねーか…さっきの奴にやられたんだろ」
「え?ほんとに??」
まったく気づかなかった。
レイに触れられるまで、痛みも全く感じていなかったくらいだ。
「見せて」
「えっ……ぁ…」
髪がかき上げられ、うなじが露になる。
「……レイ?そ、そんなにひどい傷…?」
「………」
レイはうなじに顔を寄せる。自然と距離が近くなり、レイアの胸が高鳴ってしまう。
まだ湿り気を帯びている髪からは石鹸の匂いがふわりと漂い、触れてもいないのにレイの体温が伝わってくるようだ。
レイの指先が喉元に触れ、反応しそうになるのを必死にこらえる。
「……ん…傷自体は、浅いな」
しかしレイの表情は険しいままだ。
「ねぇ、レイ……どうしたの」
「………」
レイは黙ったまま、浅く切れた一筋の赤を見つめる。
(どうしたんだろう……)
「な……なに…??」
するとレイが急に
傷口に唇を寄せた。
「きゃっ……っ!!」
突然舌先が首筋に触れ、ゾクリと肌が粟立つ。
「ちょ……レイ!」
抗議のまなざしを向けると
レイは眉根を寄せて切なげな顔をしていた。
「……守れなくて、悪かった」
「レイ……」
「お前に傷一つつけないつもりでいたのに…悪かった……怖い思いしたから…思い出しちまったんだよな」
レイアは首を横に振る。
「それは違うよ。確かに昼間のことがきっかけで…思い出しちゃったけど、でもレイのせいじゃない。レイがいなかったら、もっと私危なかった…ネコだまりのネコたちも」
「いや……まだまだ甘いな……俺は」
自分の手を握りしめ、そのこぶしに視線を落とす。
レイは本当にストイックだ。
守ることに関しては本当に自分に厳しい。
「レイ」
レイアはそのこぶしをそっと包み込むように触れる。
「レイ一人の力じゃ守りきれないから、仲間がいるんだよ」
顔を上げたレイは目を見開いている。
「仲間がいれば、一人じゃ守りきれないものも守れる。黒の軍はレイだけじゃない、でしょ?」
その言葉にレイはふっと笑う。