• テキストサイズ

【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】

第13章  6th night【レイ・ブラックウェル】R-18



拉致された後の記憶が久々に蘇ってしまい
吐き気がこみ上げてくる。


「……う…っ……」


レイアは急いでトイレにかけ込む。


「ゲホっ……ゲホ…っ」

(やだな……なんか、急に思い出しちゃった……)


忘れようとしていたのに。
手足が冷えていく感覚がする。


手足を拘束され
無機質な陵辱を受けたあの夜の記憶。



(苦しい……)


「はぁ…はぁ……」

トイレのふちに掴まり、乱れた呼吸を整えようとしていると、

背後から肩をつかまれた。




「……どうした…?」

少し青ざめたような顔でレイアを覗き見る。
濡れた髪から水が滴っている。

よく見ると、身体は濡れたまま、腰にタオルだけ巻いて慌てて出てきた様子だった。



「……ごめ…もう大丈夫……」

「んなワケねーだろ……具合、悪かったのかよ」

「ちが……わっ!」


答え終わらないうちにレイは、レイアの身体をひょいっと抱き上げた。

触れた部分が濡れ、髪から滴る水がかかる。


「ちょ、ちょっと…濡れるからいいって……」
「いいから……黙ってろ」


レイはそのままベッドにレイアを寝かせる。



「水、飲めるか?」

「あ、うん……」


レイはキッチンから水の入ったグラスを持ってきてくれた。


「ありがと……」



肩にかけていたタオルで髪を拭きながら訝しげな視線を送ってくる。


「……で、どうしたんだよ急に」

「ごめん、ほんとになんでもない」


「ふーん……」

そのまま隣にどかんと座る。

「え?」

「………」


じーっとレイに見つめられる。

「……食いすぎ?」
「ち、ち、違っ!!」

顔を真っ赤にして抵抗しようとすると、あっさり手首を掴まれ、エメラルドグリーンの瞳が間近に迫る。


「……で、俺には言えねえってワケ?」


「う………」

(怖くなって、過去のことを思い出したら吐き気がした…だなんて言ったら心配かけそうな気がする)


しかし、適当な言い訳がこのキングに通用しないのはレイア自身、身に沁みていたのも事実だ。


「なんか……一人になったらふと…前に魔法学者にさらわれた時のこと思い出しちゃったの。そしたら何だか気分が悪くなってきただけ……でももうだいじょ……」

すると
言い終わらないうちにレイが手を伸ばしてくる。
/ 107ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp