【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第13章 6th night【レイ・ブラックウェル】R-18
Ray side--------
久しぶりにレイアと過ごした一日は
いつもより沢山笑えた気がする。
素直で、無邪気で、
本当に見ていて飽きない。
ただ
アモンの手下が襲ってきたのは正直想定外だった。
念のため護衛を頼んでいて良かった。
(俺も平和ボケしてんな……)
わずかに油断をしていた自分自身を深く反省する。
「ねぇ、レイ……」
馬車の中。レイアが不安げな声で呼ぶ。
「昼間の人……何だったのかな……動きもすごかったし単独だったし……」
(あぁ……こいつはまだ……)
アモンの残党が動いてることを知らされてない、んだったな…。
言うか言うまいか躊躇いつつ、レイは口を開いた。
「実は……アモンの手下がこの儀式を嗅ぎ回ってるっていう情報が、開始2日後あたりからあった……」
「えっ?!知らなかった……」
「お前のこと、不安にさせたくなかったから皆黙ってたんだと思う。日中はずっと誰かしら気づかれねえように護衛に入ってたはず」
「そう……だったんだね……」
不安げに俯くレイアの頭を、ぽん、と撫でる。
「心配すんな」
ちょうど馬車が月小屋に到着する。
レイは先に降りて手を差し伸べる。
「行くぞ」
「…うん」
レイアの笑顔に僅かなぎこちなさを感じながらも、レイは彼女の手を取り月小屋へ向かっていった。
レイア side--------
「あー……レイア、悪いんだけど」
そう言いかけたレイを振り返る。
「……俺、午前中は剣術の指導だったし、午後も、まぁ…ちょっと身体動かしたからさ…風呂、先入っていい?」
「あ、うん、もちろん!疲れたよね…?入って入って」
「ありがとな」
レイはそう言ってバスルームの方へと姿を消した。
部屋に一人になり
昼間の出来事を思い出す。
アモンの手下。
確かに、死亡報告はなく、ずっと行方不明扱いになっていたとは聞いていたけれど。
ふと、思い出したくない記憶が呼び覚まされる。
この部屋で。
ヨナと一緒にいた時に、魔法学者は現れた。
刃物をつきつけられ、ヨナとエドガーが助けてくれようとしたけれど、魔法の塔に連れて行かれた。
そして
顔の見えない相手に、次々と……
(あ……どうしよ…やば……)