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【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】

第11章 5th night【ゼロ】R-18




ふんわりと、甘い香りの沸き立つストロベリーティは、二人のぎこちない空気を少しだけ和らげてくれた。


「レイアはこれが終わったらいよいよヨナと式をあげるのか?」

突然の直球質問にレイアは少し頬を染めながらも小さく頷いた。

「そうか、それは良かったな」

ゼロの優しい笑顔を見ると、一年前のことを思い出す。




ロンドンから二人でクレイドルに戻った後、初めてクレメンス家の人たちに会った日……それは最悪だった。


大事な息子……誇り高き赤のクイーンを、約一ヶ月もの間不在にさせた元凶。
異世界からの、得体の知れない異端児。
血統もへったくれもない……クレメンス家の跡取りに最も相応しくない相手……それがレイアだった。

ある程度覚悟はしていたものの、ここからどうやって認めてもらうに至るのか……正直あの時は絶望しかなかった。


もちろん、ヨナ自身もかなり庇ってくれたしフォローもたくさんしてくれた。


しかし、ふと訪れる空虚な瞬間…
ヨナのいない時間に、漏れ出るため息を受け止めてくれたのは、ゼロだった。


「あのときは『結婚なんてできない…もうそばにいるだけでいいや…』なんて弱音を吐いていたな」

「やだ……もう忘れて?」

懐かしむゼロにレイアは苦笑する。


「しかしあの状況からここまで来れたのはお前の努力と忍耐の賜物だろう。よく頑張ったな」

ゼロの大きな手が、テーブル越しに頭をなでてくれる。


「………ゼロがいてくれたからだよ」

「……ん?」

「ゼロがいてくれたから……つらかった時に、ヨナがいない時にそばにいてくれてたから……」

「………」

驚き固まるゼロに、レイアは僅かに頬を染めながら笑った。


「ありがとう…ゼロ」


するとゼロは少しだけ目を細め、レイアの頬をすっと撫でた。

「………っ…」


「たとえヨナと結ばれても、お前が一人でつらい時は俺で良ければいつでもそばに行く」

「ゼロ…?」

スカイブルーの瞳が、熱を帯びていく。


「もし敵が……何者かがお前を狙ったとしても、俺は盾になって必ず守る」

ゼロの指先がレイアの手に触れ、そっと包まれていく。


「……忘れないでくれ、俺はお前の味方だ」

レイアの白い手の甲に、優しい口づけが落とされた。


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