【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第11章 5th night【ゼロ】R-18
Zero side--------
夕暮れ時の月小屋。
ここを訪れるのは二度目だが、そもそもこの状況はどうしても慣れない。
慣れる人間などいないのだろう。
愛を誓い合った人間同士以外が「行為」を行うのは
まるで
魔法の塔がしてきた「非人道的行為」そのものだ。
(あれほど蔑んでいた魔法の塔の連中と…同じことをするのか)
前回同様、ゼロは複雑な思いを抱いていた。
しかし、もっと苦しいのは他でもないレイアなのだと思うと、弱音を吐いてもいられない。
少しでも嫌な記憶が残らなければいい。
そんなことを考えながらゼロは月小屋の中へと足を踏み入れた。
レイア side--------
赤の兵舎で過ごすようになってから、兄のように慕ってきた人に抱かれなければならない。
それは、他の誰に抱かれるよりも、恥ずかしさのこみ上げる行為だった。
(どうしてだろう……他の人は大丈夫だったのに)
やたら緊張する。
馬車の中でも途中から無言になってしまって
その沈黙が余計に緊張を生んだ。
(ど、どうしたらいいかな……とりあえず、お茶でも淹れた方がいいかな、それとももう準備した方がいいのかな…)
思案をめぐらせていると、後ろからくすっと笑い声が聞こえた。
振り返ると、ゼロが笑っている。
「……ちょっとは落ち着いたらどうだ?ほら、そこに座っていろ…紅茶でも淹れてやる」
「えっ……」
ダイニングの椅子に促され、レイアは拍子抜けしてしまった。
(私、何を慌ててたんだろ…)
ゼロは相変わらず優しい。
(慌ててるのバレバレだったんだな…ちょっと恥ずかしい)
俯いて考え込んでいると、キッチンに入っていったゼロが気まずそうな顔で戻ってきた。
「どうしたの?」
「すまない……お茶の葉の場所、分かるか」
「知らないのに淹れるって言ったの?」
「……まぁ、そう言うな」
照れ笑いを浮かべるゼロの顔を見て、レイアもつられて笑ってしまう。
「じゃあ、一緒に準備しよう!」
「そうだな、頼む」
レイアは立ち上がり、ゼロと共にキッチンへ向かった。