【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第9章 4th Night【カイル・アッシュ】※R-18
レイア side--------
中に入ると、レイアはそのままキッチンへ向かい、コップに水をくんでカイルに渡した。
「大丈夫?」
「ん?あー大丈夫だ、心配すんな?」
カイルは少しだけ笑みながら渡された水を飲み干す。
「もう…あれだけ『ほどほどに』って言ったのになんか酔っ払ってるよねーカイル」
「あー?そういうお前はどうなんだよ?」
「え?私?全然平気だよ?1杯だけだもん」
少しだけ上機嫌な声でにこにこしながらレイアは答えると、ベッドの縁に腰掛けた。
「この調子じゃ明日も二日酔いじゃない?ふふっ…ランスロット様に怒られそう」
思わず笑いがこみ上げるのでレイアは俯いて笑った。
「おーい、なーに笑ってんだー?」
カイルはレイアに近づき、俯く顔を無理やり上げようとする。
「やだっ!ちょ……笑ってないって」
「嘘つけ、このやろ……」
「えっ、あ……」
次の瞬間
大きな手がレイアの両肩を包み、強い力でベッドに押し倒された。
突然の出来事に驚いて見上げると、顔が少し赤いカイルの顔がそこにある。
オリーブカラーの瞳は熱をはらんでいて、それはお酒のせいだけではないことをレイアは直感的に悟った。
「………カイル?」
「………お前、無防備すぎだぞ…」
掠れた声も、熱を帯びている。
「俺も一応男なんだ……酒入ってくっつかれて何も感じないほど、できた男じゃねー」
「えっ、カイル……?」
わかってはいた。
わかってはいたけれど。
カイルは自分のことを、女性として見ていない気がしていた。
そういう欲とは無縁の気がしていた。
『月小屋の宴』の時も、抱くことは不本意で
記憶の残らない薬を使われたくらいだ。
いずれにせよ、返還の儀式は避けて通れないことは分かっていたのだが
いざカイルに求められると
胸の高鳴りが……止まらない。
カイルはそのままサイドテーブルに手を伸ばし、返還の指輪をはめた。
再び熱を含んだ視線がレイアを射抜く。目を逸らせずにいると、カイルの指がそっと髪に触れた。
「……つらかったら、言えよー…」
気だるそうな物言いで、最上級の優しさを落としながら
カイルはゆっくりと唇を重ねていった。