【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第9章 4th Night【カイル・アッシュ】※R-18
博物館を見終えた頃にはすっかり日が暮れていた。
「ほどほどにするから頼む!」というカイルの要望に応えて、夕食は行きつけの酒場でとることになった。
カイルはいつものビールを飲み、レイアはオレンジベースのカクテルを飲みながら、ローストビーフやスモークチーズ、ピクルスをつまんで二人は談笑した。
ほろ酔いのまま馬車に揺られ、いつもより遅く月小屋に到着した。
「んー、こんな場所だったっけかー?」
無理もない。かなり前に一度しか来たことのない場所だ。
馬車を降りてぼんやり外観を眺めるカイルの背中をぽん、と叩く。
「ほら、ぼーっとしてないで行こ?」
「ん、わりぃわりぃ」
あれほど「ほどほどに」と言ったのに、酔いが回ったのかカイルの顔は赤かった。
「ほら、つまづいたらあぶないよ?」
レイアは支えるようにカイルの腕に寄り添った。
「あ…ああ……」
(もう……大丈夫かなぁ)
いつも以上にボンヤリするカイルを怪訝そうに見上げながら、レイアは月小屋の中へと向かった。
Kyle side--------
……今日は一日中レイアが同行してたせいだろうか。
いや、そもそも年頃の女性とこんなに長時間過ごすというのは滅多にない。
途中からだんだん、カイルはレイアのことを意識してしまっていた。
レイアは素直すぎてどんくさいところもあるが、飾らない優しさがあって、まるで子どものようだ。
なのに時折見せる表情が妙に女っぽくて、変に意識してしまう。
馬車の中でもそうだ。
レイアは気づいてなかったが、うたた寝していた彼女がカイルの肩に寄りかかった時、柔らかい部分が触れていた。
月小屋到着後も、不用意にレイアは触れてくる。
(酒が入ってる意味、わかってねーのかよ)
ほろ酔いで触れられたら……男がどうなるのか。
紅潮していく顔はどうにもできないまま、カイルはレイアと共に中へ入るのだった。