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【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】

第1章 返還の祭典、開幕す。




「実は……君の持つ『魔法をはじく力』と『それを分け与える力』は、妊娠・出産をすると消失してしまうんだ」


「…………えええっ?!」


レイアは椅子から落ちそうになるほどの衝撃を感じた。



「君がその能力を失う前に、幹部全員は平等な状態に戻らなくてはならない。君に能力を返還し、全員が『魔法をはじく力』をなくした状態に戻ってから…君はヨナと結婚し、子を成す…というか、そうしなくてはならないんだよ……」


「そ……そうなんですか…」


(あれ…でも)


「ブランさん、ヨナは能力の返還をしなくていいんですか?」


子を成すまでの間にヨナへ与えられる『魔法をはじく力』はいいのだろうか、とレイアは疑問に思った。


「今までの分は『返還の祭典』で返してもらうけど、その後の分は『結婚祝い』ということで返還の必要はないよ。もっとも、ヨナだけが多少能力を得たところで、仮にまた両軍が戦闘状態に入ってもあまり影響はないからね」


(そっか……)


「ヨナにとっては君との子どもの方がよっぽど強くなる力になるんじゃないかな」


「ちょ、ちょっと、ブランさん!」


「ふふふ、ごめんごめん冗談だよ。では、『返還の祭典』の概要を説明するね」


ブランはくすくす笑いながら、一枚の書状を開いて出してみせた。



「まず、返還の祭典は月小屋の宴と逆順で開催する…つまり赤軍幹部からスタートするよ。
 幹部一人につき、24時間アリスと共に過ごす。過ごし方は自由だが、24時間共に過ごすことと、必ず最後に『能力の返還』を行うことが条件だよ」


「能力の返還、ですか」


ブランは頷いて続きを説明する。


「『能力の返還』は月小屋で行う。双方が『返還の魔宝石』と呼ばれる特殊な石を身につけて行うんだけど……」


そこまで説明して、レイアの瞳の色がみるみる焦燥と不安に染まっていく。



「あの…ブランさん?一応聞きますけど」


「うん?」


「……返還の方法っていうのは」


「ん……」


ブランがめがねの奥で困った笑顔を浮かべる。






「その……分け与える時と基本的に同じなんだよ」





(やっぱり………)



レイアが頭を抱えると

シトラスパイの前に積まれたクッキーがバラバラと崩れていった。


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