• テキストサイズ

イケメン戦国 ー とおまわり ー

第4章 おもい~その2~


一人になり、俺は大きく溜め息をつく。

どいつもこいつも、俺を優しいなどと……
初めて言われたことが、こうも続くと調子が狂う。



そのまま畳の上に寝転がり、天井を仰ぐ。
ことねの香りが残っているようで、鼻をくすぐる。甘い花のような香り。ことねの笑顔によく似合う。

ことね思えば、心があたたまる。
例え御館様のものだとしても、俺が心でどう思うかは、俺の自由……ただこれ以上踏み込まなければいいだけ……。






ふと顔を動かせば、ひいろの絵が視界に入る。



ひいろを思えば、胸が騒ぐ。あの眼を思い出す。
番頭のせいだろ……。
ひいろとの時間は、心地よいものになっていたのに。
あんな言葉位で、俺が乱されるとはな……





自分の事を嘲笑うように口元に冷笑を浮かべ、両の手で顔を覆う。
最近の俺はどうかしている。自分の思いの中に乱れが出るなど、いつ以来なのか……。
青臭い若造でもあるまいし、女のこと位でここまで落ち着かなくなるとは、正直驚いている。違うな、呆れているのだろう。



次にひいろに会う時、俺はどんな顔をしてるのだろう………


/ 382ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp