第13章 We don't talk anymore (太宰治)
「太宰さんって。」
ある日の昼休み。
敦君の言葉からそれは始まった。
「なんで特定の恋人とか作らないんですか?」
そういえば、と誰もがこちらを向く。
「口説くだけで…というか、心中目的でしか誘わないな。」
国木田君の言葉に、私はにっこり笑う。
「特定の恋人とか重いからねぇ。私には向いてないよ。」
「さらっと最低なこと言ったね。」
そう言った乱歩さんに、与謝野先生が頷く。
「なら最初から誘うんじゃないよ、この女たらしが。」
その言葉に、私は首をぶんぶんと振る。
「えぇ!違う違う!私には心に決めた女性がいるだけだよ!」
「もっと悪いですね。」
谷崎君にまで言われたのでは、私に逃げ場はない。
「ま、まぁ、けどどんな人なんです?その心に決めた人ってのは、浮気を許してくれるような女性なんですか?」
多少責めるような言葉遣いではあったが、おそらく私をかばおうとしたのだろうね、敦君。
どうもありがとう、と心の中で呟く。
「まぁ、私の傷も癒えてきたし、そろそろ言ってもいいかなぁ。あのねぇ、私恋人がいたんだよ。年下の。」
「ロリコン。」
「児童性愛。」
「変態め。」
「ねェ、待って!?私別に十も下の子を誑かしたわけではないよ!?たった二歳だから!」