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【文豪ストレイドッグス】愚劣なる恋愛詩

第6章 How deep is your love? (福沢諭吉)


 ごめん、太宰。

 あんたの言うとおりでした。

 社長は年齢で私を選んだ訳じゃなくて、私が果物一つで一喜一憂したりだとか、ちょっと生意気だったりするところだとか、そういうところをひっくるめて、おつき合いしようって言ってくれていたんだ。

 私はレモネードのカップを横に置くと、スッと息を吸い込む。

「…社長がいいんです。」

 うつむいていた顔をあげると、社長の真っ直ぐな瞳と視線が交わった。

「…社長は大人だし、私は子どもだし…どうにか追いつきたくて、頑張って大人なフリしてましたけど…ははっ…全部…バレてたんですね。さすが…。」

 私はそう言うと、社長の胸に額を寄せた。

 黙って抱き寄せてくれた社長に、胸の内を吐露する。

「…社長が好きです。ずっと一緒にいたいんです。私が社長の年齢になっても…例え社長がヨボヨボのおじいさんになってしまっても…ずっと、ずっとずっと一緒に一緒にいたいんです。」

 ぎゅっと私の肩を抱く社長の腕に力が籠もり、私も社長の胸に頬を押し付ける。

 力強い鼓動が聞こえ、安心するような、落ち着かないような。

「………帰るか。」

 ぽつっと言った社長の目には、珍しく明確な熱い情欲が灯っていた。
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