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【文豪ストレイドッグス】愚劣なる恋愛詩

第25章 Sweet but psycho(太宰治)


「太宰くん、君、弱くなったね。」

 森先生の言葉に、私は密かに眉を潜めた。

 それに気づいたのか気づいていないのか。

 そんなことこの人相手にはさっぱりわからないけれど、先生は追い討ちのように言った。

「いや、頭が悪くなったとか、体術がとか、異能力とかそういうことじゃなくてね?こう、人として?弱くなったよね。」

「そんなことはないですよ。」

 にこやかに答えた私に、森先生はふふふと笑った。

「守るべきものができた、それはつまり、弱点が増えたということだよ。それを作らないために君はその辺の女性に心中を申し込んでいたんだと思ったんだけどね。」

 心の中を見透かすような言葉。

 いいや、けど、私は今だってそうだろう?

 そう思って、私はニヤリと笑って先生の言葉を否定する。

「今も昔もそうでしょう?」

「ほんとにそうかい?」

 間髪いれないその言葉に、不敵に微笑んで見せる。

「ええ、そうですよ。」

 まぁ、それならそれでいいけどね。

 そう言い残して、先生は去っていった。
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