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【YOI・男主人公】小話集【短編オムニバス】

第1章 僕と勇利、時々『デコ』


※R18ではありませんが、少々下品です。

『はじめての、相手』

日本でのアイスショーで大阪を訪れていた勇利達の為に、純は彼らを地元京都の町家旅館に招待、1泊だけ滞在して貰った。
ホテルとは違った風情あふれる設えにヴィクトルは大満足だったようで、翌日勇利が単身インタビューに出かけている間も、休憩先の氷屋でしきりに町家での体験について話していたのだ。
「旧い外観とは違って、中はちょっとしたホテル並みなんだね。温泉じゃなかったけど、ヒノキ風呂の向こうには日本庭園が見えたし!」
「楽しんで貰うたんなら、何よりや」
「今度は秋か冬にゆっくり来たいなあ。現役中は無理だけど、俺が引退したら」
「復帰したばっかで何言うてんねん。勇利の為にももう少し頑張り」
「…そうだね。そう簡単には負けてやれないし」
この頃のヴィクトルは、時折今後について純にも話すようになっていた。
そう遠くない将来現役を引退した後、勇利次第では拠点を再び長谷津に移す事も考えているという。
「どっちの環境も一長一短や思うけど、デコはそれでええんか?」
「だって、長谷津は俺に大切なものをくれた場所だから。もう俺にとっては第2の故郷だよ」
ニッコリ笑って返すヴィクトルに、純も「そうか」と相槌を打った。

「それはさておき…昨夜は和室の雰囲気にも流されて、久々にナマで燃え上がっちゃった♪何だか勇利も漢モードになってて凄かったし」
しんみりとしたのも束の間、あまりに生々しい話題に、純はもう少しで抹茶ミルク氷を吹きそうになる。
「何で真っ昼間っから、あんたの爛れまくった性生活の話聞かなあかんねん!」
「失礼な!俺だって男は勇利だけだよ!流石にシーズン中は色々控えないとだけど、たまには愛する男に中出しして欲しくなったりするだろ?」
「僕が初めて中出しされた相手は、ヒゲやないけどな」
「え?」
ボソリとした呟きに、ヴィクトルは思わず動きを止める。
「どうして?まさか…」
「僕の初めては高2の夏…注入軟膏に中出しされたわ。連日の猛暑につい風呂入らんとシャワーで済ませてたから、血行悪ぅなってな」
「ああ…リンクは夏でも寒いからねぇ…」

かき氷の冷たさだけでない頭痛を覚えたヴィクトルは、店員に熱いお茶を2人分頼んだ。
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