第1章 僕と勇利、時々『デコ』
『全日本スケーター・副業?選手権』
純「現役やない僕が参加してええんか?」
南「選手権とは名ばかりの、オフやスケート以外の仕事やバイト経験について語り合うだけですけん、問題なかです」
勇利「う~ん、僕はスポンサー絡みのCM撮影くらいかなあ。正直億劫な所もあるけど、自分を支援してくれる人達へのサービスその他は大事だって、ヴィクトルにも言われてるからね」
礼之「勝生さんのスポーツメーカーのCM、カッコよかったですよ。ジャージでポーズ決めた所なんか特に!」
南「先に言おうとしとったのに~。でも、おいもあそこのメーカーの勇利くんモデル、保存用合わせて2セット買いました!」
純「そういう健坊も、確か地元福岡の名産品のイメージモデルしてたやんか」
礼之「前に福岡に遠征した時、駅前のお店に南さんのポスター貼ってありましたね」
南「知ってたとですか!?はずかしかー。それ以外は、実家の伝手でクリニックの受付や事務の手伝い位やね」
純「僕も、学生時代はカテキョのバイトとかようやったなあ。あとは教授の手伝いや短期講座のセンセとか」
勇利「純は頭が良いから、そういうのはお手の物でしょ。礼之くんは?」
礼之「僕の学校はバイトOKですけど、競技やってると中々…あ、でも年末や夏休みに近所の酒屋で短期バイトしてます」
勇利「どんな?」
礼之「お中元お歳暮お年賀や、神社にお酒を奉納する時に、のし紙つけるじゃないですか。最近はプリンターでやっちゃう所も多いですけど、そこの酒屋のご主人とお祖父ちゃんが昔からの友達で、僕に筆耕のバイトを回してくれたんです」
南「アレクくん、字ばめちゃくちゃ上手いしなあ」
礼之「エスポーにいた頃は、某携帯電話のポスターにちょっとだけ出ましたけど、日本は撤退しちゃったんですよね…」
純「に、日本でも未だにあそこのガラケー気に入って、使うとるツワモノもおるから!」
南「そういえば、勇利くんも純くんも、実家のお店や施設でバイトせんかったとですか?」
勇利・純「実家は『お手伝い』で、『バイト』にはならないんだよ(なれへんねん)」
勇利・純「まあ普段、競技で苦労かけてるしね(な)」