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【YOI・男主人公】小話集【短編オムニバス】

第4章 番外篇・僕と『ヒゲ』


『密室の、公開処刑』
※ちょっと?下品です。


「アンタは、何処でこんなえげつないモン手に入れてくんねん」
「違う!以前出かけた飲み会メンバーの中にマイナーなAVマニアがいて、無理矢理押し付けられたんだ!」
「その場で突っ返したり、その辺のゴミ箱に放りもせんと?」
「下手に捨てたのを誰かに拾われて、中身見られてみろ!お前だって嫌だろ?」
「こんなモンが裏で流通されとる時点で、一緒やドアホ!」
家の掃除をしていた純は、収納棚のホコリを払っていると、奥から黒いビニールに包まれた物を見つけた。
大きさからしてDVDかブルーレイだろうが、普段整頓を欠かさない藤枝にしては珍しいと思いながら、何気なく確認した所、とんでもないものが現れた。
いわゆる『本人に激似AV』の類で、どんなマニアックが企画したかは知らないが、微妙に名前を変えた純と藤枝と思しきスケーターとコーチの、ホモDVDだったのである。
「別にアンタの性癖や、書斎に隠しとるエロコレクションに口出すつもりはないけど、これはあんまりと違う?」
「色々と言いたい事はあるが…それは未開封だろ。処分に困ってただけで」
「バキバキに割ってパッケージもビニールや紙裂いて、分別ゴミに出せばええだけやんか。後生大事に仕舞っとったいう事は、少なからず興味があったんやろ?」
視線をさり気なく反らす藤枝に、純は不快気に眉を顰めながら、件のDVDをひと睨みした。

「そもそも、何で僕らなん?まずはあの師弟やろが」
「そっちもあるらしいがな」
「はぁ…それにしても、雑な関西弁やなあ。ヒゲ役の人も妙におっさん臭いし」
「…口数が増えてるぞ。嫌なら止めるか?」
「ヒゲが普段より無口になっとるだけやろ」
オーディオルームの大画面でDVDを鑑賞する2人は、気恥ずかしさその他諸々に苛まれていた。
所詮AVなので色々と違和感や突っ込み所はあるが、流石に濡れ場に入ると、画面の2人は濃密な動きやテクを披露し始めた。
「え?な、なんなん今の…えっと、こ、こう…?」
「おい、やめろ!やめないか!純!」

画面を見ながら妙な手付きや腰を動かし始めた純に、藤枝は半ば叫ぶように声を張り上げた。
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