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【YOI・男主人公】小話集【短編オムニバス】

第4章 番外篇・僕と『ヒゲ』


『誘いたい、誘われたい』
※あからさまではないですが、それっぽい表現がありますので苦手な方はご注意下さい。


夜中。
心身の誤魔化しきれないモヤモヤに目を覚ました純は、隣のベッドで熟睡している恋人の藤枝を、布団の隙間から窺っていた。
一緒に暮らし始めてから、純と藤枝はロングサイズのシングルベッドを2つ並べた寝室で眠り、時には濃密な情事に耽っていた。
後者のシチュエーションになるのは、藤枝に誘いかけられるか、お互い何となくその気になった場合が殆どだが、今夜は珍しく純の方が欲求を抑え切れずにいた。
(どないしよう…このまま我慢して眠…れそうにないわ。せやけど明日も早いし、よう寝てるから起こすのは…それに…)
恋人の寝顔と、最早理性ではどうにもならない程下腹部に籠もった熱に翻弄された末、純は藤枝を起こさぬようにベッドを抜けると寝室を出た。

シャワーと換気扇の物音に紛れて必死に声を殺しながら、腰の前後で燻っていた熱と欲求をどうにか解消させた純は、内心の虚しさと気まずさを覚えつつもひと息つくと、バスルームを出てキッチンに移動した。
冷蔵庫からミネラルウォーターを出して喉を潤していると、背後から力強い腕に押さえ込まれる。
「コラ」
「ひっ」
「何で俺を誘わねえ」
スリーパーと呼ばれるロング丈のパジャマを寝間着にしている純の胸元の釦を外しながら、藤枝が凄んできた。
「せ、せやって『ヒゲ』寝てたし、明日も早いし!」
「お前からの誘いなら、俺は色んな意味で喜んで『起きる』ぞ」
「それに、昨日かてあんなにシたやんか!なのに今夜もて、自分が節操なしみたいで嫌やってんもん!」
「本当に嫌か?」
パジャマの裾から手探りで下着に指をかけてきた藤枝に耳たぶを甘噛みされ、言葉が続かなくなった純は、リビングのソファに押し倒された。

「僕の事、はしたないって嫌いにならんといて…」
「ならねーよ!寧ろ大歓迎だからもっと迫って来い!」
半べそで縋り付いて離れない恋人の裸体を、藤枝は苦笑まじりに抱き留めた。


これ、裏にしないで大丈夫なんでしょうか。
問題がある時は引っ込めます。
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