第11章 初めては視線と共に
私を置いて行くのが心配なのかな、カラ松お兄ちゃんが残るって言ってくれたけど、大丈夫だから皆で行って来てって断った。
明日の朝のご飯も仕込んでおかないといけないし、それなりにまだやる事あるんだよね…。
「じゃあ、なみえちゃん、俺達銭湯行ってくるな」
「本当に一人で大丈夫なのか?」
『うん♪ゆっくりしてきて、いってらっしゃい♪』
賑やかにお兄ちゃん達は出掛けていった、ふぅ…今日はまだ私にとっての一大イベントがある…この日の為に勝負下着を用意しておいてよかったぁ♪
とっとと、明日の為のやる事やっちゃって、お風呂入って準備しなきゃ…。
それからの私の行動は自分でも絶賛するほど速かった。
お風呂に入って色々チェック……あぁ、凄くドキドキしてきた。
というか…私の部屋でいいのかな…?シングルは狭くない?
カラ松お兄ちゃん達が帰ってくるまでにやる事やっておかなくちゃ…!いや、それはもう完璧にこなした。
勝負下着はお兄ちゃんカラーの青だけど…ベビードールとショーツとの二点セット、実際着てみたら…うわぁ…これはこれで、可愛いらしさの中に大人の女性的なデザイン…、下着っぽくは見えない。
姿見の前でまじまじと自分の姿を眺める…、これ…透けてないよね?着心地はいいしなんか楽だからいいんだけど…、まぁ人前に出られる程度なら大丈夫だよね、緊張したら喉渇いちゃった。
『はぁ…お茶でも飲むかな…』
台所へ行くと麦茶をいれて居間で落ち着く、ビーズクッションと雑誌は居間に置いたままだったので、クッションに座り雑誌の続きを見ながら時間をつぶす。
玄関を開ける音と賑やかな声がただいまを言いながら居間に入ってくる。
『あっ、お兄ちゃん達お帰りなさい』
雑誌から顔をあげてお兄ちゃん達に声をかけるけど…ん?反応ない?なんか皆固まってる?な、何?どうしたんだろ…。
『どうしたの?お兄ちゃん達…?』
お兄ちゃん達は私を見詰めたままちゃぶ台のそれぞれの位置に座る…なんか真顔だと特徴無くなって皆同じ顔…、六つ子だから当たり前かぁ♪それよりも…カラ松お兄ちゃんまで腕を組んで私を見てる…、え~と…視線が痛い…?これは一度自室に退散しよう、そうしよう。
雑誌を閉じて麦茶を持ち、クッションを掴み立ち上がり居間を出ようとしたらおそ松お兄ちゃんに呼び止められる。