第7章 酒とおでんとお兄ちゃんと妹
おそ松お兄ちゃんとカラ松お兄ちゃんはビールか…、瓶ビールだからついだ方がいいかな?私は小さな店主さんがトンとカウンターに置いた瓶ビールを手に持った。
『はい、お兄ちゃんどうぞ』
「お酌してくれるの?気が利くねぇ」
「フッ…なみえがついでくれたなら、バッカスの美酒よりもうまいだろうな」
『チョロ松お兄ちゃん達は?何飲んでるの?』
カラ松お兄ちゃんの隣に並んで座るお兄ちゃん達に声をかけたら、みんなビールだって言うから、私は席を立つと順番についでいった。
待たせてしまった事を謝ると逆に身体は大丈夫かと気遣われちゃった、本当に優しくて素敵なお兄ちゃん達だよね。
つぎ終わり席に戻ると、おそ松お兄ちゃんが乾杯の音頭をとる。
「よっし!改めて、なみえちゃんと俺達六つ子のこれから先のハッピーニートライフを祝して乾杯っ!!」
「「「「「「『乾杯!!』」」」」」」
「プハーッッ!!うめぇ~」
お兄ちゃん達が空けたグラスにまたビールをつごうとしたら、みんなにやんわり止められた。
「なみえちゃん、こっちは好きに飲むし、せっかくだからおでん食べなよ、チビ太、僕はウーロンハイ頼むね」
「そうそう、ボク達に気を使わなくていいよ♪チビ太、こっち冷酒よろしくね☆」
「アハハー!!大根うめぇー!ぼくも冷酒!!」
「おれ、ドクペ…えっ?ない?じゃあ冷酒…」
お兄ちゃん達は、お酒強いのかな?カラ松お兄ちゃんはビールをチビチビ飲んでるからそんなに強いわけじゃないみたい、私もおでん頼もう。
「すいません、コンニャクと大根と玉子に餅巾着お願いします」
「はいよ、今日も良い感じでダシが染みてるからな!堪能してくれ」
目の前に置かれたおでんの香りに胃袋を刺激されちゃう、まずは大根から箸を入れると、型くずれしてないのにスッと箸が通る、口に入れたら確かにダシが染みてて本当に美味しい。
『凄い…こんな美味しいおでん食べたの初めて…』
「おっ♪そうだろそうだろ!なみえちゃん…だっけか?よくわかってんじゃねぇか!嬉しい事言ってくれるねぇバーローチキショー!」
「なっ?チビ太のおでんうまいだろ?」
『美味しくて凄く幸せな気分だよ♪連れてきてくれてありがとうね、おそ松お兄ちゃん』
鼻の下を擦りながら笑うお兄ちゃんに釣られて、つい私も笑顔になっちゃう。