第1章 再会
「どうしたんだい?子猫ちゃん、キュートなリトルガールに涙の滴は似合わないぜ」
「さぁ、笑ってくれ、オレにエンジェルスマイルを見せてくれないか?」
あぁ、これはあの時の…夢?
誰かが私の頭を撫でてる…これは…カラ松お兄ちゃん?
あっ、手が離れてく、いやだよ、もっと撫でて!?
『カラ松お…兄ちゃ…ムニャ…』
ふっ、と夢から覚醒した目の前には…
私の顔をニコニコしながら見つめる優しげな2つの顔。
私の後見人になってくれた、松造おじさまと松代おばさまだ。
『ん…おじさま?…おばさま?』
そして私が手を握り、自分の頬に押し当てていたのは、松造おじさまの手だった。
『す、すみません////』
「あらあら、疲れが出ちゃったのかしら?もうすぐ着くわよ」
『はい!凄く楽しみです、おじさまとおばさまには感謝してます』
「なみえちゃん、そんなに畏まらないでくれ、わしらを父さん母さんと呼んでくれていいんだぞ」
「そうよ、なみえちゃん、遠慮しなくていいんだから。そうだわ!なんならうちのニート達の中から好きなの貰って頂戴な、なんたって六人も居るんだもの、選り取り見取よ?それならお母さんって呼んでもらえるもの♪」
『あっ、カラ松お兄ちゃんを下さい!』
「ふふっ♪ブレないわね、なみえちゃん」
「何だ、なみえちゃんはカラ松が好きなのか!?なぁ?母さん、あいつ、カラ松はどうなんだ?自分の息子だからといって、覚悟のない奴に大事ななみえちゃんはやれんぞ!!」
「もう、お父さんたら♪まぁ、暫くは様子見ね♪カラ松となみえちゃんは面識あるけど、他のニート達がどう動くか分からないもの」
『きっと大丈夫!だって優しくて素敵なカラ松お兄ちゃんの兄弟だもの!』
「あっ、そっそそ、そうね大丈夫よ、ね?あっ、ほら!なみえちゃん着いたわよ!!」
乗っていたタクシーから降りると、レトロ感を醸し出す和風建築の一軒家。
『今日からここが…私とカラ松お兄ちゃんとの二人の愛の巣…』
「いや、忘れないで!!わしらもいるから!!!」
「「なみえちゃん、ようこそ我が家へ!!」」