第2章 女の子は脆いんだから
六つ子達の食事風景は、いつもならオカズ争奪で騒がしいのだが、今日はいやに静かだ、台所のキッチンテーブルで食事をする松造と松代におそ松が口を開く。
「ねぇ父さん?そろそろ話してくれてもいいんじゃないの~?」
松造はコホンと咳払いすると話しだした。
「なみえちゃんの両親、まぁわしの従兄弟なんだがな…二人揃って事故で亡くなってしまってな…」
「「「「「「え…」」」」」」
食事の手を止めて六つ子は揃ってなみえの方を見る。
「お葬式やら色々と事後処理で手間取ったが、わしらがなみえちゃんの正式な後見人になった、だからお前達、仲良くしてくれ、頼むぞ」
「ねぇ、後見人て…養子じゃなくて?」
素朴な疑問をチョロ松が口にするがこれ以上教えるつもりは松造にはないらしい。
「諸々の事情があるんだ、お前達は知らんでいい」
「さあさあ、この話はおしまい、ニート達、食べ終わったなら片付けよろしくね、後カラ松、なみえちゃんのご飯、別に置いてあるから起きてお腹空いてるようなら食べさせてね」
「任せてくれ、マミー」
「あぁ、忘れるところだったわ、明日、なみえちゃんの荷物が届くわ、客間を使って貰うから手伝いよろしくね♪任せたわよ」
そういうと自分達の食器を片付け、二人揃って自室にあがった。
「ねぇ、そろそろ行かないと銭湯閉まる…」
一松が時計を見て告げると皆残りの食事を掻き込んだ。
「後片付けはオレがやっておく、風呂は今日は家の風呂に入るから、ブラザー達は行ってくれ」
「んじゃ、後はよろしく~」
そう言うと五人は居間を出ていった、銭湯道具を取りに行ったのか、一時の間を置いて出掛けていった。
カラ松は手早く食器を片付け、洗い物を終えてからなみえの様子を見に行った。
「なみえっ!!起きたんだな、大丈夫か?」
なみえは身体を起こして俯いていた、カラ松は側に座ると労るように背中をさすった。
「どうした?どこか痛むのか?」
『ううん、大丈夫だよ…』
首を横に振り、そう言って顔をあげたなみえの顔は、笑っているのにどこか泣きそうな顔をしていた。
たまらずカラ松はなみえを抱き締めていた。
「話しは聞いた…その…おじさんとおばさんは残念だったな…」
『うん、ありがとうお兄ちゃん』