第5章 No.4 ちょっとだけ。
side:尾白
心操「ご苦労様」
尾白「・・・!」ハッ)
急に、意識が浮上した。
・・・えっ、なんだ・・・?
零无「尾白くん、大丈夫?」
尾白「あ・・・神和、さん?
え、あれ・・・?」
零无「騎馬戦、終わったよ」
尾白「え・・・?」
零无「ごめんね、心操くんの“個性”・・・私は防げたけど尾白くんと庄田くんの“洗脳”・・・私が解こうとすると加減が効かなくて肩外しちゃいそうでさ」
防げた・・・?
って事は、俺は心操って奴の“個性”にかけられてたのか・・・。
庄田くんも同じらしい。
訳が解らない風にぼーっとしている。
・・・騎馬戦、終わったのか。
俺・・・操られてて何もしてないのに・・・。
尾白「・・・結果は、?」
零无「心操くんが鉄哲くんチームのハチマキ取って、3位で終わった。
私達は上位4組だから、次の種目に出れるよ」
尾白「・・・そう・・・。
神和さんは・・・どうやって奴の“個性”を?」
零无「心操くんの問いかけに答えた2人の様子に違和感覚えて。
それでもしかしたらって思って心操くんの“個性”を無効化する“魔法”を使ったんだ」
尾白「・・・すごいな、神和さんは」
申し訳なさそうにまた「ごめん」と謝ってくる神和さん。
・・・俺もまだまだって事か。
尾白「・・・神和さん」
零无「ん?」
尾白「俺、辞退するよ。
自分の力で・・・勝ってみんなと並びたい」
零无「・・・・・・・・・そ・・・っか・・・」
尾白「あ、でも神和さんのせいなんて思ってないからな?
俺も無防備だったし、むしろ神和さんに肩外されたら怖いし!?」
零无「え、別に痛みなら3日くらい違和感感じるくらいだよ?」
尾白「十分怖いよそれ・・・!」
轟と爆豪を相手に勝つ女子の神和さんだ、なんかこう・・・関節決められたら苦痛で悶絶させられそうだ。
うーん、それにしても本当になんでも臨機応変な“個性”だよな。神和さん。
悔しいけど、彼女にはとことん敵う気がしない。
本戦には・・・緑谷に轟、それに爆豪も出るのか。
・・・みんな、頑張ってくれ・・・!