第4章 No.3 おなじだけどちがう。
[雄英高校・校舎前]
いきなりのちなみに。←
器物損壊は雄英バリアをぶっ壊した事。
個人情報盗難は私の個人情報を無断で持ってった事。
不法侵入は雄英高校の敷地内に勝手に入った事。
零无「補足するまでもないかなー」
轟「・・・誰に対して言ってるんだ?」
零无「お。
轟くんだー。おはよ」
轟「ああ、おはよう。
・・・怪我、大丈夫だったか?」
零无「ん?
あー、大丈夫大丈夫」
轟「そうか、なら良いが・・・。
・・・・・・」
玄関の所で轟くんと会った。
一緒のクラスだし、これは成り行き上教室まで一緒に登校する感じだよね。
のほほんと受け答えしていると、轟くんはふと立ち止まった。
ありゃ、どしたんだろ?
轟「・・・強いな、お前」
零无「・・・・・・・・・ん?」
轟「あの時・・・オールマイトが“敵”に襲いかかられた時、お前だけは逃げなかった。緑谷もだが、あいつは自分の犠牲をあまり考えていない。
けど、お前はあの時誰よりも状況を視てた」
零无「あー・・・まあ、緑谷くんが引こうとしてなかったの見えたからどーするつもりなのかなって考えたからね」
轟「・・・・・・普通なら、事細かに他人の事まで構ってられる状況じゃなかっただろ。
・・・なあ、神和」
零无「ん?」
轟「薄々気づいてるんじゃないのか」
零无「えー、何に?」
轟「・・・・・・・・・」
零无「うおう、無言の圧力・・・」
轟「・・・俺が、自分の意思で左の“熱”を使おうとしてないって事にだよ」
左。
確かに轟くんは顔の左半分火傷してる方の左腕では一切攻撃しようとするのを見た事はない。
いつも右の、凍らせるのしか使ってない。
・・・ある意味私も使いたくない力を持ってて使ってないから、なんとなく勘づいてはいたけど。
零无「そりゃまあ、薄々は」
轟「・・・・・・・・・」
零无「あ、言っとくけど・・・私は誰かの事情に自分から進んで首を突っ込む気は無いからね?
まあ、あれだね・・・私は私。他は他。轟くんは轟くんなんだから、轟くん自身の力を好きな様に使えばいーんじゃないかな」
轟「・・・・・・・・・?」
首を傾げる轟くん。
んー、言葉って難しいね。