第2章 No.1 手始めの初めまして。
轟「・・・お前、戦闘訓練で何割出した?」
零无「単刀直入にきたねー。
やっぱ解ってた?」
轟「性質の違う“個性”を使ってきた時にもしかしてと思ってな。さっきも色んな属性を使えるって言ってたし・・・それに、俺と爆豪にぶつけてきた青い炎の威力を同じにしてなかっただろ。
爆豪も多分気づいてると思う」
零无「・・・その根拠は?」
轟「“爆破”の“個性”を持ってる爆豪が熱く感じる程の温度を俺に使ってきたなら、凍らせる“個性”を持ってる俺が食らったならそれ相応のダメージを受けてるはずだ」
零无「へー・・・。
うん、轟くんの言う通りだよ。2人に使った青い炎はダメージを変えてた。
そだね、割合としては・・・3割くらいかな」
思ったよりも返された内容に、私はキョトンとした。
なんかもっとこう・・・「勘だ」とか言われると思ってた。
轟「3割・・・。
全然本気を出してなかったって事か。
もし、お前が本気を出していたら被害はどれくらいになる?」
零无「んー・・・そーだな、ビル全壊するかクレーター出来てたかも」
轟「・・・そんなにか」
零无「目安としてだよ。
さすがに私も人間だし?そんな徹底的に追い詰める趣味は持ち合わせてないよ」
轟「そうか・・・。
・・・それなら、いつか俺が今より強くなった時に本気で戦ってくれ」
特に表情を変える事無く、轟くんは言った。
・・・轟くんって、思ったより負けず嫌いっぽいね。
見た目クールで負けず嫌い・・・女子に好かれそうなタイプだな。
零无「・・・これまた唐突だね。
てっきり次は勝つぞーとか言われると思った」
轟「俺だって馬鹿じゃねえ。自分の力量くらい解る。
・・・1-A(このクラス)で最強はお前だ」
零无「そんな大袈裟な・・・。
でも・・・うん、私はいつでも受け付けてるよ。待ってる」
轟「・・・おう」
その後緑谷くんが戻って来て1回どわって騒がしくなったけど、爆豪くんがすぐ帰ったのを聞いてそれを追うように教室を出て行った。
で。
反省会もそろそろお開きって流れになって私達は解散した。
・・・・・・この数日後、私と1-Aのみんなは知る事になる。
オールマイト先生の言っていた、真に賢(さか)しい“敵”の恐怖を。