第6章 No.5 ルールはルール。
零无「あーもー・・・てゆか、あれだ!」
爆豪「ああ゙!??」
零无「決勝戦進出、おめでとう!!」
私が爆豪くんに襟首掴まれたまま躍起になってそう叫べば、何故か全方位観客席から「ヒュ〜!」「なんだおい仲いいな姉ちゃん兄ちゃん!」「痴話喧嘩か??」とかのヤジが飛んできて、そんなヤジに私達二人が反応しない訳なかった。
爆豪「うっせえぞ仲良くねえわボケぶっ殺すぞ!!!」
零无「これが仲良く痴話喧嘩してる風に見えるなら私は確実にDVで訴えますよ、きゃードメスティック・バイオレンスぅー!」
爆豪「はぁあ゙!!!??」
ミッド「(充分仲良く見えるわよ・・・ある意味アオハルね。男女間の友情・・・青臭っ)」
マイク『っかー!
とりあえずナイスバトルだったぜ!
決勝戦進出は爆豪だ!!』
ぎゃーぎゃーと「もう一回後で戦え!!」とか騒ぐ爆豪くんはアシストロボ2機がかりの手で会場の外へと強制連行されて行った。ふっ( )
私も私で体操服に着いた砂埃をぱんぱんと軽く落としながら入って来た出入口から出る。
零无「あ、しょーさん」
会場からすぐの廊下の曲がり角で、しょーさんとバッタリ出会った。
相澤「・・・お疲れさん」
零无「ん、ありがと」
相澤「・・・お前、また新しい系譜と契約したろ」
零无「あ、やっぱバレた?」
相澤「・・・初めて見たよ、お前の楽しそうな表情。
どうだった、今までゼウスにいってた感情・・・肌身で感じて」
零无「なんて言うか・・・生きてるって心地がしたよ。・・・私みたいなバケモノでも、みんなみたいに感情を持てて・・・やっと人間になれた気がする」
相澤「・・・そうか。
・・・表情は、さっきみたいな“魔法”を使ってる時しか変わらないのか?」
零无「それなんだけどさ・・・皮肉な事にもう一つの“個性”の1柱と対話して、制御出来るようになったよ」
相澤「・・・!」
零无「あーでも、いきなり表情出したらみんなに引かれるかも・・・」
私が困ったように笑えば、しょーさんから頭をぽんって撫でられた。