第6章 No.5 ルールはルール。
八百万「─────と言う事です、解りましたか?」
轟くん対飯田くんの試合が始まろうとする中、八百万さんの解説が終わった。
ぶっちゃけ雄英体育祭の内容は数日前のホームルームでしょーさんが言ってたから大体知ってたけど、あの時は4分の3くらい聞き流してたからなあ。
零无「ほー・・・。
つまり、オリンピックみたいな感じで全国ネットで生中継されてプロヒーローも将来のサイドキックになりそうな子を探すため観戦しに来たりしてる注目されてる大きな大会・・・って事?」
蛙吹「ええ、そう言う事ね。
相変わらず理解力が素晴らしいのに勿体無いわ零无ちゃん」
零无「えへ」
上鳴「いやある意味褒めてねーぞ神和・・・」
零无「まあ、細かい事はさておき」
障子「さておくのか・・・」
零无「私、次だからそろそろ行くねー」
麗日「相手は爆豪くんやもんね・・・大怪我しないように頑張って!」
耳郎「この際だからボコボコにしちゃうくらい頑張りなよ!」
1-Aからの声援を受けながら、私は観客席を後にした。
会場では轟くんの氷結攻撃を飯田くんがレシプロバーストをぶっ放して避けてた。マジF1。
[雄英高校・特設スタジアム控え室1]
確かに轟くんは炎(ひだり)も氷(みぎ)も使えるようになったかもしれない。
けど、父親(エンデヴァー)絡みでまだ心の整理とかがついてないと思う。
・・・私には家族が居ないけど、色んなかたちがあるよね。めんどくさいようで、ちょっと羨ましいと思う。
っと。
人様の事より今は自分の事だよね。
今の所ゼウスに言われた提案が最善策だし・・・さすがに本気を出さなかったら爆豪くんに寝首欠かれそう()
さすがに全員と対話するのは疲れるから、ゼウスが言ってた彼と対話しなきゃ。・・・クロノスみたいな性格じゃなきゃいいんだけど。
試合終了から開始までのインターバルは10分。
「ふう・・・」と息をひとつ吐いて、意識を沈めた。
零无「〝神応域(エンカウント)〟」
さあ、また一歩“人間”から“化け物”に遠ざかったよ。